2011年7月21日木曜日

フェイスブック(若き天才の野望)

映画化もされ、企業価値は500億ドルともいわれる「フェイスブック」の成り立ちを語った本。
創立者マーク・ザッカーバーグを始め、多くの関係者ヘのインタビューを通して描かれた読み
応えのある一冊。まさに"武勇伝”だ。


それにしても一番驚かされるのは、大学生が生み出した出来たての”アイデア”にそれなり
の資金を供給する人がいること。彼らのリスクテイクと目利きには感心するしかない。
多分、日本では絶対に起こり得ないドリームだと痛感する。
小さなソフトハウスで営業の仕事に携わっていたことのある私の経験から言えば、日本の
大手べンダー(わかりやすく言えば、NEC、日立、富士通、あるいはNTTなど)系の会社
と取引口座を開くには「人品卑しからず」が証明された会社でないと、ほぼ困難。
どんなに優れたアイデアを持っていても、「実績」のない会社では門前払いとなる。
第一「優れたアイデア」を認め、リスクを取ってでも勝負しようとする人物が、大手ベンダー
のサラリーマンの中に何人いるだろうか?

最近は、IT業界で成功した著名な経営者などが、有望なベンチャー企業に出資するケース
もあると聞くので、少しは希望が持てるのだろうか・・・。

最後に一言。
アメリカの良質なノンフィクション物に総じて言えるのは、インタビュー他に基づいた圧倒的な
取材量(つまりは事実の量!)と、冷静な語り口。
筆者の感想や思い入れを語るのではなく、あくまでも積み重ねた”リアリティ”の重さが読者
に迫ってくる。
おもしろい!